映画『THE FIRST SLAM DUNK』で思ったこと

 スラムダンクの最新映画がヒットしているとか、ニュースで目にするようになったが、

盛り上がっているのは新規の客というよりかは、当時、原作やアニメを見ていた世代のようだ。

俺様もスラムダンクは小学生の頃リアルタイムで読んでいて、好きな作品の1つだった。

 

 好きな作品…だったはずなのだが、映画を見に行こうとは微塵も考えなかったな。

内容に関して色々と賛否はあるようだが、内容云々の問題ではなく気にもならなかったし、

どうでもよかったのだが、盛り上がっている奴らとの差は一体何なのだろうかと、ふと考えた。

 

 当時夢中だったという同じ条件なはずなのに、連載終了して30年?近く経って、

未だ盛り上がり懐かしむ彼らと、冷めきった態度の俺様との差は一体何なのだろうね。

まあまじめに分析する気もないのだが、俺様の心が荒んだのか、単に捻くれているだけなのか。

 

 映画の内容は、大方の予想通り原作のラストバトル、山王戦の描写のようだが、

原作ファンがこぞって最高の評価をしている山王戦、かつアニメ化されていない一戦とあって、

ファンが歓喜しているようだが、そもそも山王戦って面白かったか?というのが俺様の評価。

 

 山王戦はジャンプでリアルタイムで読み、以降は単行本で読み返したり一切していないが、

ひたすら長くどうでもよい描写が多く、ご都合主義の展開が多すぎるイメージしかない。

ケガやトラブル続出の主人公チームが、パーフェクトの山王に勝つ展開がそもそも白けた。

 

 別のスポーツ漫画、アイシールド21でも実績のない主人公チームが、

最強チームに勝つという展開があったが、こっちはちゃんと勝つまでの道筋がしっかりしていて、

作戦やルールを駆使して、ありとあらゆる手を尽くして勝つ展開が描写されていたが、

スラムダンクの山王戦は、想いとかノリ、勢いで勝ちましたって試合展開のイメージ。

 

 その展開は子供なら騙せるものではなく、俺様は読んでいて白けたな。

ハーフタイムとかが異様に長くて、さっさと試合を進めろとか思ったし、

敵の誰々の過去に何があったとか、試合中に回想が入ったりとかイライラした。

 

 こういうのも今、盛り上がっているファンからすれば、試合中の『動』の動きだけでなく、

作戦会議等の『静』の描写で、緩急を付ける演出も大事だとか、

敵の過去を掘り下げることにより、試合そのものを熱くできるとか語りだすだろうけど、

やかましいわボケ、とか、当時の俺様だったら思うだろうね。

 

 そもそも山王戦を美化している連中って、リアルタイムで読んだだけでなく、

単行本等を買って何度も読み返して、勝手に試合を分析しているだけだろ。

そりゃ単行本であれば一気に読めるし、読み返して伏線や細かい描写を拾う事もできるからな。

俺様は残念ながら、あれを読んで単行本も買おうとは微塵も思わなかった。

 

 山王戦に勝とうが負けようが続くものだと思ったら、突然連載が終了するし、

別に掲載順位も下がってなかったし予兆もなかったから、突然過ぎて意味が分からなかった。

後になって連載を終わらせた理由が公開されていたりするが、読んでいる側からすれば関係ない。

 

 こういった裏切り行為も影響して、

スラムダンクに良いイメージを持ってない当時のファンも多いだろうね。

休載ばっかりのハンターハンターに通じるものもあるけど、

さっさと終わらせたスラムダンクの方がまだマシか?

 

 俺様からすれば美化する要素が一切ないスラムダンクだが、

それでも歓喜しているファンは、俺様目線からすれば正に信者だな。

スラムダンクは特に、作品全体の評価が異様に高いんだよな。

 

 ドラゴンボールもワンピースも、酷評するアンチは一定数存在するのだが、

スラムダンクだけはあまり見たことないのは不思議だが、今になって冷静に考えると、

あれ、別に大したことない作品だぞ。

 

 まあ、信者同士で盛り上がる分には害がないから、勝手にやってろといった感じだが、

今回の盛り上がりを見て、こいつらと俺様の違いは何だろうなと、ふと考えたわけだ。

20~30年経てば趣味趣向も変わるし、俺様のように冷める人間がいても当然だと思うが、

俺様が悪い方向に変わったのではなく、どっちが正しいわけではないと信じたいところだ。