台風を例に昨今の安全対策

 何か来る前からやたら『ヤバイ』と騒がれていた台風が去っていきましたが、

皆様の住んでいる地域は無事だったでしょうか?

まあ、ぶっちゃけお前らの安否なんか、毛ほども興味がないんだけどね。

 

 冗談は…ではなく、本音はさておき、今回の台風、来る前からやたらと脅してきてたよな。

これまでに例がないとか、マジでやばいとか、何を根拠に基準が作られているかは不明だが、

蓋を開けてみれば、大したことがないザコ台風だった。

 

 死人も出ているし被害も出ているから、ザコ台風ではないという奴もいると思うが、

来る前の煽りが尋常じゃなかったから、いつもよりそう感じてしまう。

まあ、来る前の煽りがあって対策ができていたから、

被害を最小に食い止められたという見方もできるかもしれない。

 

 災害とかの被害は、ヘクトパスカルやマグニチュードとかの数字で推し量れない部分があるから、

なかなか被害予測はしずらいと思うが、以前より大げさに騒ぐ傾向が強くなったと思う。

そういう基準とか方針が整備されてきたのだと思うが、甘い基準で被害が出るよりかは、

大げさに騒いで警戒させた方が、後になって文句言われないだろうという判断が強いと思う。

 

 たしかに10年くらい前は、無警戒の台風とかゲリラ豪雨で死者が出ると、

国や自治体は何やってるんだとか、住民避難させろとか、やたらと文句言ってる奴が多かった。

マスコミもここぞとばかりに騒ぐし、叩かれるくらいなら、たいした被害が出なそうでも、

最初から大げさに警戒しておこうという総合判断だろう。

 

 その判断がノーリスクであればいいのだが、残念ながら、そうではない。

大げさな警戒・警告により、中止になったイベントや企業活動等もあり、地域経済の損失が大きい。

こういった機会損失やコストの補填って、最終的にどこに跳ね返ってくるかというと、

結局は消費者というか、我々一般人なんだよね。

 

 企業もボランティアじゃないから、企業努力だけではどうにもならず、

結局はサービスや商品価格にコスト分は上乗せされる。

国や自治体も、なんやかんや税金アップでカバーしてくる。

 

 災害の被害に遭う確率が0.001%だとして、その最悪のケースを想定して、

毎回毎回、1人も被害に遭わないために、何百億と対策費や機会損失を発生させることが、

正しい選択なのかも考える必要があると思うが、もう後戻りはできないだろうな。

 

 時代がそうなったというか、誰もかれも叩かれるのは嫌だし、

SNS等の普及で、暇で他人を叩くことを生きがいにしている奴らが、何かあると、

こぞってエセ正義を振りかざして喚くから、効率とか正当性とか度外視で、

叩かれないために低確率の災害被害ケースでも、とりあえず警戒しておくスタンス。

 

 こういったスタンスは災害関連だけでなく、家電等の商品でも、

あり得ないくらいバカな使い方する奴がいるから、そういったバカに合わせて、

大げさなくらい安全対策したり警戒周知したり、挙句は販売を停止したりする。

 

 当然、バカ対策に充てられた非生産的で無駄なコストは、商品価格に反映され、

『こんな低機能な商品が、こんな高いの?』という消費者の率直な感想に繋がっていく。

昨今の値上げは円安やインフレの影響もあるが、こういったバカ対策費の反映も影響されている。

 

 0.001%とか、あるいはもっと低確率な最悪ケースを想定して、

毎回、無駄に終わるような支出を発生させることが、豊かな社会の形成に繋がるのか?

そういった事は誰も考えることなく、叩かれたくないから過剰な安全対策に終始する現代社会。

 

 確かにその過剰な安全対策で、救われている人もいると思うが、

果たして自分が生きている内に、その安全対策の恩恵にあずかる機会は来るのだろうか?

おそらく、宝くじで数億円当たるくらいの低確率だろうな…。