アニメ『天空の城ラピュタ』に登場する悪役、ムスカの有名なセリフとして、
「人がゴミのようだ」
というものがあるが、この時のムスカの心情を俺様なりに解釈しようと思う。
天空の城ラピュタには、様々な殺りく兵器が搭載されていて、
その操作権限を手中に収めたムスカが、敵対した元味方達を兵器で掃討していく際に、
「人がゴミのようだ」
と、高笑いしながら眺めるというシーンがあるのだが、これは悪意があってとか、
殺りくに愉悦を覚えてとか、そういう安易な感情の元でのセリフではないと思う。
ムスカは政府から派遣された諜報員で、軍と協力しながらラピュタを探し、
最終的に圧倒的な力を手に入れるわけだが、そこに至るまでの道のりも、
無能な軍の上役のご機嫌取りや進言などをしたり、使えない部下の失敗に神経をすり減らしたり、
現代社会に生きる人間でも、誰しもが経験してきたようなストレスにさらされてきたことだろう。
周りがどんなに無能でも、無視して進められる仕事でもないし、自分も有能ではない。
同じようなレベルだからこそ発生する軋轢、感情の振幅で、逃れることはできない。
周りの人間を恨んだり、悪意を持って接してきたことも山ほどあるだろう。
そこへきて、あのラピュタの圧倒的な力を手に入れたわけで、
その無能だった人間たちの同レベル帯から、ごく短時間で一気に抜け出せたわけだ。
今までストレスでしかなかった環境から、一気に解放されたわけだ。
そりゃ、笑わないわけないだろうという話だ。
「人がゴミのようだ」
というセリフは、悪意を人に向けて放ったセリフではなく、
今まで自分と同レベルだった『人』であった物体が、一瞬でもう何もストレスも感じることもない、
純粋な『ゴミ』へと変化したのを目の当たりにした心情の変化に、
自然と笑いが込み上げてきて、悪意も何もない純粋に口に出たピュアなセリフなのだと思う。
誤解があるのは、確かに人を侮辱・差別する時に『ゴミ』という言葉を使う時があるが、
本来『ゴミ』って、憎悪や悪意を向けるような対象ではないでしょ?
その辺に散らかっているゴミに対して、
『ムカつく』とか『殺すぞ』とか感情を露わにする人はいない。
部屋にゴミが散らかっていれば、粛々とゴミを拾いゴミ箱に捨て、
ゴミの日にまとめて、ゴミ捨て場に捨てるだけの存在、そこに感情は一切発生しない。
だから、あの時のムスカの心情は、人に対して憎悪や悪意を向けたセリフではなく、
この一瞬で『人』から『ゴミ』へ変化した物体への、不思議な感覚、
当然、今まで体験したことのない感覚・感情から来る、自然と口に出たセリフではないだろうか。
俺様もムスカみたいにごく短時間であったり、圧倒的な力を手に入れたわけではないが、
この10年をかけて、この心情の変化を体験してきた。
10年前はブログでも、純粋な悪意や、善意を装った悪意で他人を批判してきたが、
10年かけて、他人は『ゴミ』のように、どうでもいい存在に変化していった。
『ゴミ』に対して、無駄な感情は使わないし、無意味に攻撃したりもしない。
無駄な時間や労力を使わないことで、他の有益な事象に時間や感情を使うことができる。
人間には時間が限られているわけだから、賢く取捨選択をして生きないと何も成せない。
まあムスカさんは、力を手に入れるために様々な犠牲や無理をしたせいで、
自滅していったわけだが、アニメの世界の話ではなく、リアルでこの心境に達するには、
やはり早くても10年・20年はかかるだろうな。
中には一生気づかず、周りと見難い争いをしながら泥船で沈んでいくのが大半だと思うが、
まあそいつらの人生は興味ないし、俺様のこの意見に反対する奴も多いと思うが、
そういう奴らの主義・主張・生き様も、もはやどうでもいい。
だって、所詮は『ゴミ』だし。