抜き打ちテストで分かった、一方通行の友情

 俺様伝:人徳の章・第一条・第七項より抜粋

 『抜き打ちテストで分かった、一方通行の友情』

 俺の通っていた小学校では、掃除の時間、自分で椅子を机の上にあげて、
掃除が終わったら、各自で自分の席の椅子を下ろすシステムになっていたが、
ある時、ふと思い立って、一番仲の良かった奴の椅子を下ろしてやった。

 ちなみに、今までそんな親切な行為をしたことはなかった。

 そいつが教室に戻ってきて、自分の椅子が誰かに降ろされていることに気づいて、
当然、降ろしてくれたのは、一番の親友である俺だと予測して、
「椅子、降ろしてくれたの?ありがとう。」
と、まず俺に声をかけて来るものだと思ったが、別の奴に声をかけやがった。

 声をかけられた奴は当然、
「俺じゃないよ。」
と返答し、その次に俺の所に来るかと思ったら、また別の奴に声をかけやがった。

 最終的には、クラスの学級委員に声をかけて、
「?何の事か分からないけど、どういたしまして。」
とか適当な返事をして、遂には、そいつが俺の所に来る事はなかったけど、
俺ってよっぽど普段から、そんな親切な人間じゃないと思われていたんだと知った。

 一番の親友だと思っていた奴でさえこれだから、
その他の人間からすれば、こいつは親切とは最も縁遠い男だと思われていただろう。
いや、親友だと思っていたのは俺だけで、
向こうからすれば、数いる友達の内の単なる1人だったのかもしれない。

 友達って何だろう?親友って何だろうなと考え始めるきっかけになった出来事だった。

2012年07月09日 23:59

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