タニタの社員食堂レシピから分析する、ビジネスの成功パターン

 よくビジネスのノウハウ本で、貪欲に求めて狙っていかないとビジネスは成功しないとか、
流れに身を任せるのではなく、ブームや流行は自らで生み出せとか謳ったり、
攻めのビジネスを推奨しているコンサルタントが多いが、あれの多くが大嘘。

 ビジネスの成功は、小さなことからの積み重ね、邪な気持ちなく、(金儲けしたい等)
小さなニーズを汲み取りながら、焦らずコツコツと大きく育てていくことが最大の近道なのだ。

 タニタの社員食堂レシピの成功が最たる例で、タニタは社員食堂のレシピ本をヒットさせ、
丸の内にタニタ食堂をオープンさせ、外食産業にまで進出し、
今、乗りに乗っている企業だが、最初から外食産業を目指していたわけでは決してない。

 最初は何気ない小さな思いから、大きなビジネスは発展していくものだ。

 タニタはご存知の通り、体組成計や体重計等の販売メーカーだが、
その体組成計や体重計を販売しているメーカーの人間が、
デブでいかにも不健康そうな人間であれば、営業に説得力がなくなるのは当然だ。

 そんなわけで、社員の健康と体重を意識した社食を作るところから全てが始まるわけだが、
この時点でレシピ本を販売したり、レストランをオープンすること等、考えてもいないはずだ。
逆にその辺りのビジネス展開を考えて、色々ウケが良さそうなメニューを考えたり、
コンサルタントと結託し、外食産業を調査しながら進めていたら絶対にコケていただろう。

 ビジネス成功の鉄則は、最初は何気ない純粋な思いからスタートするものなのだ。

 そしてヘルシーな社食が社員に好評で、これは社内だけではもったいないということで、
レシピ本を作り販売する事を思いつくわけだが、このビジネスの流れは本当に自然だ。

 料理のモニターは社員が勤め、ここまで大きな出費もない。
栄養士は何人か雇っただろうけど、社員の健康を考えれば十分元は取っている。
レシピ本だって、仮にコケたところで、本業にはたいした支障にもならないし、
在庫で一杯になったら、営業先に無料で配ればいいし、使い道はいくらでもある。

 そしてレシピ本はマスコミにも取り上げられ大ヒットするわけだが、
そうなると今度は、料理ができない人や、平日は忙しいビジネスマンが、
手軽に食べられるレストランがあったら便利という発想になるのは必然だ。

 ここまで、何ら難しい仕掛けや考え方は一切なく、自然な流れでビジネスが発展している。

 そのレストランも、仮に利益が出なくても、タニタの本業の宣伝にもなるし、
普段はあまり交流のない顧客との交流の場と考えれば、大きなマイナスにはならない。

 ここまで一切の無駄もないし、大きな策略や仕掛け、博打等は存在していない。

 バカに限って、これらビジネスの成功のムーブメントを無理やり作り、
金や労力でどうとでもなると考える兆候が強い。

 例えば少し前にジャンプで大々的に金と時間、労力を費やして、
無理やり流行らせようとした、『ブルードラゴン』というコンテンツ。

 キャラクターデザインに鳥山明を向かえ、流行る前から、
漫画、ゲーム、アニメ、カード、グッズと、大々的に仕掛けてきた。
結果大ゴケし、今となっては集英社の黒歴史として闇に葬られようとしている。

 例えば、大手レーベルavexがゴリ押しした、ICONIQという女在日ハゲ。
コイツも、新人のクセに異例と銘打って、複数の企業のCMに主演し、
散々ゴリ押ししたが、結局流行らず、既に風前の灯状態。

 多分どちらも、仕掛けを考えたプロデューサーやフィクサーは、
自信たっぷりに『流行は生み出せる』とか周りを説き伏せ、その気にさせ、
いざ失敗すると、『やり方が悪い』とか何とか言い訳を並べ、下に責任を押し付ける。

 責任を取らない責任者や仕掛け人って、ゴミ以外何物でもないよね。
日本の社会は、こういうゴミが牛耳っているから、政治も行政も財界も3流だったりする。

 これらの失敗例のように、小さな積み重ねやニーズをコツコツと汲み取る手間を惜しみ、
いきなり金と物量、人海戦術でゴリ押ししようとすると、ビジネスは必ず失敗する。
タニタの例のように、小さなところから発展させて、無理のない進展をさせていった方が、
遠回りのようで実はこれが、ビジネス成功の近道だったりする。

 最初は社員を健康にしたいという、小さな思いから始まった・・・。

 どこの業界、職場にも、こういった小さなニーズは転がっていると思う。
その小さなニーズに真摯に向かい合い、手間を惜しまず、
コツコツと育んでいく努力さえ出来れば、誰にだって成功のチャンスはあるのだ。

 9割の真摯なコツコツと、1割の閃きと流れに身を任せるゆとりさえあれば、
才能だとか策略だとか、小難しいマーケティング理論なんてなくたって成功できるのだ。

 大口を叩く、自称ビジネスの天才や、やり手コンサルタントとかには注意した方がいい。

2012年01月08日 23:59

2コメント | ビジネス



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この記事へのコメント

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    おはようございます。

    まったくおっしゃるとおりです。タニタなる会社の動きは私も仄聞していますが(それこそ小賢しい言葉を使って申し訳ないですが、まさにその言葉通りでして…)、そこそこ以上の規模で社員食堂を維持できる会社というきらいはあるにせよ、その社員食堂からレシピ本、そして外食産業への参入というのは、できるようでできないことです。

    会社としては、その本は社員や役員らに名刺代わりに使わせることもできるし、書店で売ればこれ以上ない広告宣伝でもあり、これによって本業の見込み客も新たに開拓できるであろうというものです。
    健康産業に携わる者がプロデュースする飲食店というコンセプトなら、景気に関係なく、じっくりと取り組めるビジネスですね。

    ちなみに私も、塾をつぶしたころに(苦笑)経営コンサルタントの本を読み漁ったことがありますが(でも、それなりにしっかりした経営学の本を読んだわけでもないところがますます痛い~苦笑)、今思えば、結局は気休め程度に終わったものの方が多いこと多いこと(爆笑)。
    一応誤解のないように申し上げておくなら、雑多な知識としてはそれなりに役に立つものも少なからずありましたが・・・

    もちろん、自分から仕掛けてうまくいくというパターンだって、ないわけではないとは思いますが、それはいろいろな条件がはまってピタッと決まるだけのことで、それをもって一般化してあちこちであてはめていけるという性質のものではないでしょう~プロ野球で言えば、大洋ホエールズ時代の三原脩監督の「三原マジック」なる一連の動きがそれに当たりましょう。確かに大卒の理屈屋?の選手の多い(当時の大卒だから今よりはるかに優秀な人が多かったはず)弱小チームを1度日本一、2度優勝争いに(一度はマジック1まで行った)加わらせた手腕は相当だと思いますが、三原氏とて、かつて巨人や西鉄で同じようなことをやっていたわけではないことは言うまでもありません。

    やくも少年 2012年01月16日 09:12

     

     やくも少年さん、こんばんは。

     点ではなくて線というか、ストーリーがないとビジネスは成功しませんね。

     三原監督のことはよく知りませんが、弱小球団が強くなった理由として、
    『線』であるストーリーというものがしっかりと存在していたと思いますし、
    いきなり大型補強やフロントのゴリ押しという、『点』の発想ではなかったと思います。

     経営コンサルタントの本も、純粋な読み物としては面白いかもしれませんが、
    これで何とかしようとか、ビジネスを成功させようと考える発想は危うく、
    こういった一発逆転、他者依存に頼る中小の経営者が多いのも日本経済の問題ですね。

    俺 2012年02月06日 01:12

     


 

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